サステナビリティ

木質バイオマス発電を核とした"SDGs"への取組

わたしたちモリショウグループは、持株会社の「㈱モリショウ」、環境リサイクル機器の販売、木質系廃棄物の処分、木質チップの製造販売を行う「日本フォレスト㈱」、木質バイオマス発電を行う「㈱グリーン発電大分」、いわゆる新電力として電気の小売を行う「日田グリーン電力㈱」の4社で構成されています。
モリショウグループの始まりは建築廃材や剪定材などを破砕して木質チップとして再資源化するための機械である環境リサイクル機械の販売でした。そこから、派生して木質チップの製造販売や木質バイオマス発電へと事業領域を拡げていきましたが、もともと環境負荷を低減し、将来によい環境を残そうということを社是としてきたので、事業とSDGsの相性は非常によいと考えています。
九州の片田舎の一企業でできることは小さいかもしれませんが、少しでも多くの方々にSDGsの理念を理解していただき、日本のみならず世界の皆さんが安心して暮らせるようになるため、少しでもお役に立てれば幸いと思います。

㈱グリーン発電大分

木質バイオマス発電は、燃料となる木材が吸収した空気中のCO2を燃焼の過程で空気中に戻すので「カーボンニュートラル」と言われています。
昨今は10万kWを超える木質バイオマス発電所もありますが、わたしたちは、集材に無理のないことが重要だと考え、概ね50km圏内からの集材量に適した規模の発電所としています。遠方から輸送すると輸送の過程で相当量のCO2が発生し、せっかくの「カーボンニュートラル」の効果が半減してしまいます。

従業員の福利厚生

従業員が安心して業務に従事できる環境を整えることが、ひいては会社の発展につながるものと信じています。冠婚葬祭時の慶弔金を充実するほか、労災の上乗せ補償のための保険加入を行っています。また、給与水準をできるだけ全国レベルに近づけるべく毎年昇給とベースアップを敢行しています。

温排水の活用によるいちご農家の支援

木質バイオマス発電では、ボイラーで発生させた水蒸気でタービンを回転させることで発電を行うため、温排水が発生します。この温排水を発電所に隣接するいちご栽培のビニールハウスに送って冬季のハウス内の温度維持に活用しています。重油の燃焼による暖房を温排水に切り替えることで、CO2の削減だけでなく、燃料費のカットによるコストダウンも実現しています。

日田グリーン電力㈱

発電所で発電した電気は、直接需要家の方々に供給することはできません。わたしたちは、地元の木材を使って地元で発電した電気を地元で使ってもらいたいと考え、小売電気事業の日田グリーン電力㈱を設立し、2017年の10月から、日田市役所、淡窓図書館、日田市立の小中学校などに電気の供給を開始しました。
日田グリーン電力㈱の電気は単に安いということだけではなく、地元の木材からつくった「地産地消」の電気なので、電気代がまわりまわって林業の活性化につながるということになります。また、発電所と連携して、小中学生の見学も積極的に受け入れており、発電の仕組みや地元産業の活性化について考えてもらうきっかけになればよいと考えています。

グループ内の使用電力を100%再生可能エネルギーに切替

当社グループでは、㈱グリーン発電大分で発電したFIT電気を日田グリーン電力㈱を通じて調達していますが、そのままでは環境価値を訴求することができません。このため、「非化石証書」を活用し、2019年9月以降グループ内の使用電力を実質再生可能エネルギー100%とすることを決定しました。利潤を追求するだけでなく、コストをかけても、後世に暮らしやすい環境を遺していくことが、地域とともに発展する企業としての責務だと考えています。

J-クレジットの活用によるカーボン・オフセットの実施

二酸化炭素を排出するのは化石燃料を用いた発電所だけではありません。企業の経済活動の中で利用する車両や重機も化石燃料を使用しており、二酸化炭素を排出しているため、脱炭素社会を目指すためには、避けて通ることはできません。このため、当社グループでは、2021年11月よりJ-クレジットを活用して、車両や重機から排出された二酸化炭素をオフセットすることとしています。これにより、使用する電気とあわせて、企業活動から排出する二酸化炭素をほぼゼロにすることを達成しました。

山林未利用材の有効利用

㈱グリーン発電大分で使用する燃料は、日本フォレスト㈱天瀬工場で生産した、間伐材を原料とした木質チップです。原料となる間伐材は「日田木質資源有効利用協議会」の会員企業から購入しています。この協議会は、間伐材を安定的に確保することと、価格の安定を図ることを目的として、当社グループが中心となって立ち上げたものです。この協議会を立ち上げてから、それまで山林に放置されていた間伐材等の林地残材が商品として出荷できるようになったため、林業家の経営の安定に寄与し、また、計画的な間伐と林地残材の搬出が進み、山林の環境改善にもつながっています。

将来の森林資源確保のための種苗育成

間伐材といえども、山から切り出した木をただ使うだけでは将来への責任が果たせないと考えます。伐採が終わった山林には新たに苗を植えて育てることで、世代を超えた資源の循環が行われていきます。モリショウグループでは2020年に種苗センターを開設し、一般的なスギ、ヒノキだけでなく、伐期が早く付加価値も高いユーカリやセンダンなどの早生樹の種苗生産にも取り組み森林資源の維持に努めていきます。

廃棄物の受入とリサイクルチップの製造・販売

建築廃材や剪定材などを廃棄物として受入れ、燃料やパーティクルボードの原料として使用するリサイクルチップとして再生することで、資源の有効活用を推進しています。
2016年の熊本地震や2017年の九州北部豪雨では、多数の倒壊家屋や流木が発生し、復旧の大きな妨げとなりました。私たちは、少しでも復旧の手助けができればとの思いから、これらの災害廃棄物についても受け入れを行いました。

新規事業へのチャレンジ

積極的に異業種と交わることでイノベーションを生み出すことができるのではないかと考えています。
日本フォレスト㈱では、2017年12月にe-Sportsチームの「Detonator」に対するスポンサー契約を締結しました。ここからヒントを得て、新たな事業につながることを期待しています。

社有林への植林

山林の所有者の高齢化が進み維持管理が行き届かなかったり、引き継ぐ人がいなかったりという悩みを抱えている方もいらっしゃいます。わたしたちは、健全な山林を取り戻すため、山林を積極的に購入し、社有林としてスギ・ヒノキや広葉樹、早生樹などバランスの取れた再造林を行うことで、山林の維持管理に努めてまいります。

日本フォレストの森林づくり大会

日田市民共有の財産である日田市市有林を活用し、企業の社会貢献活動、社員への環境教育の一環として、植林、下刈、間伐などの森林整備活動を通じた森林づくりに取り組むことで、日田市の森林の適正な管理と多面的機能の維持・保全に寄与することを目的として、大分県、日田市、日田木質資源有効利用協議会、日田郡森林組合と企業参画の森林づくり協定を締結し、毎年社員や取引先の皆様に参加していただき、植樹や森林保全活動を行っています。

次へ託す
未来のために
できることを